2015年6月21日日曜日

【曲からで描or書いてみよう企画】<チャンカパーナ>by 都子指定曲。

■剣
今日の打ち合わせ、遅くなりましたね。

■剣(語)
俺と蜜柑さんは今、馬車に揺られて帰路を進んでいる。

■蜜柑
ええ、そうですね。

■剣(語)
今日は常磐さんも居ないし、俺が守らねばっ
蜜柑さんはぼーっと外を見て俺が話しかけても似たような返事だけ。
きっと疲れているのだろう。

■蜜柑
(はやく帰って莉李で癒やされたいです。)

■剣
(それにしても・・・会話が捗らない。)

■剣(語)
なんとか話題を探そうと四苦八苦している俺をよそに
蜜柑さんはハッとした表情でもたれていた状態を起こした。

■蜜柑
・・・・!!

■剣
?
蜜柑さん、どうしたんですか?

■蜜柑
用事ができました、先に帰っていて下さい。

■剣
え、え!?蜜柑さん!?

■剣(語)
蜜柑さんは勇ましく馬車の扉を開けると、
ためらいもなく道へ飛び降りる。

■剣
えええぇえええ!?

■蜜柑
(たしか、この辺に!)
・・・いた!

■剣(語)
俺がなんとか追いつくと、蜜柑さんはしゃがみこんで何かを見ていた。

■剣
蜜柑さん?

■蜜柑
剣、見てください!
黒猫です!

■剣
少し小さい、ですね。
親猫も見当たりませんし・・・どうしたんでしょう。

■蜜柑
決めました、私・・この子を連れ帰ります!

■剣
蜜柑さん!?
この間も連れ帰ってお手伝いさんに怒られたでしょう!

■蜜柑
今度は内緒にはしません、
ちゃんと家に上げるための準備をしてもらいます。

■剣
(大丈夫かなぁ・・・)

■剣(語)
俺の心配をよそに、蜜柑さんは馬車を飛ばして屋敷へ向かった。
お手伝いさんは呆れたような諦めたような顔をして子猫を風呂場へ連れて行く。

■お手伝いさん
剣様、もう遅いため今宵はお泊まり下さい。
梔子のお屋敷には連絡しておきましたゆえ。

■剣
え、は、はい!
(よ・・・予想外のお泊り!)

■蜜柑
剣、お猫様のお清めが終わりました!
私が疲れて寝てしまわないように見張っててください!

■剣
な!!!?
(いやいやいや、未婚の女性の部屋に行くわけにはッ)

■剣(語)
嬉しそうに猫を抱えながら腕を引いてくる蜜柑さんに、俺の抵抗力はゼロだ。

■蜜柑
ああああ、お猫様ッ

■剣(語)
俺の存在など忘れたように蜜柑さんは黒猫と戯れている。

■蜜柑
ほうら、こっちですよー

■剣
え、俺の体を遊具にするのは・・・
ちょ、爪、爪が!!

■蜜柑
それくらい我慢してください。
珍しくお猫様が威嚇せずに剣で遊んでいるのですから。

■剣
俺で遊んでいるんですか!?

■蜜柑
漆黒の毛並み、葡萄のような紫に近いくりっとした瞳、
まれに見る逸材のお猫様ですよッ

■剣
(蜜柑さんが我を忘れている・・・)

■蜜柑
もう我慢できませんッ
飼います、この子飼います!

■お手伝いさん
失礼しま・・・あらあら、熱が入ってしまいましたか。
ダメですよ蜜柑様、そうやって野良猫を飼い始めたら猫屋敷になってしまいます。

■蜜柑
猫屋敷!素晴らしいじゃないですか!

■お手伝いさん
いけません。

■剣(語)
蜜柑さんはお手伝いさんに一蹴されて助けを求めるように俺を見る。

■剣
(うぐ・・・いくら蜜柑さんのお願いでも無理です。)

■蜜柑
くそう、こうなったら今夜はお猫様を堪能します!

■剣(語)
こうして蜜柑さんは自分の腕に飛びついた小さな黒猫に悶えながら、
蜜柑さんは寝ずの一夜を過ごした。

■剣
(俺も一夜を過ごしてしまったわけですが、存在を忘れられているような。
・・・そんな哀れみの視線を向けないでください、お手伝いさん。)

2015年6月2日火曜日

【曲からで描or書いてみよう企画】<菩提樹>by 麗音指定曲。

仮想近未来の麗音 in 仮想大江戸の麗音

(ちぃが襲われそうになって、咄嗟に身体が動いた)
(気付いたら、この世界の浅葱になっていた)
(直ぐにでもちぃの所に戻りたかった)
(なのに、千草を想ってしまった)


----千草。どうやら私は戻れるらしい。

・・・そう。
なら麗音は”ちぃ”に返さないとね。

----私はちぃも千草も大事だ。
----勘違いはせぬようにな。
----魂が同じだという理由ではない、千草だからそう思ったのだ。

うん。
もしこのアンドロイドに宿った本来の魂が麗音と同じだとしても、
俺はその子を麗音として扱ったりなんてできないよ。

----しかし、この浅葱も私だ。この世界の私には違いない。
----ちぃのように私を救ってくれるか?

勿論。
もう一度、あの日に戻って出会い直すとするよ。
ふふっ、まるで僕達の子どもができるみたいだ。

----我が子の成長していく様子が見れないのは心苦しいものよのう。
----(千草は浅葱を人間として、女として愛してしまうだろう。)

ああ、そろそろじゃないかな。
そちらの僕にもよろしくね。
・・・なんだかお別れって感じがしないなぁ。

----千草、泣いておるのか?
----(こちらに来る前のちぃの表情と被る)

俺が泣くわけないだろう?
ほら、もう行きなよ。

----ああ、それじゃあな。
----(鉄の身体から離れていくのがわかる。)
----(何故か、浅葱と千草の様子がハッキリと見える。)
----(去るギリギリまで見せつけるというのか。)

・・・キミが浅葱だね。
今日からキミは麗音だ。
違法に量産された浅葱じゃない、
アンドロイドだけど一人の女の子として俺と生きてくれる?

----(千草、その悲しそうな表情はその世界の私が変えるだろう。)
----(私もちぃと共に生き、共に逝き、共に生まれ変わることができるのならば)
----(今度は私からちぃに、千草に会いにいけるだろうか。)
----(ちぃにも千草にもあんな表情をさせないようにできるだろうか。)
----(二度と離れることはなく一緒にいられるだろうか。)




(魂が惹かれ合っているというのなら)
(私は何度生まれ変わっても千草の側に居よう。)


----ちぃ、泣いておるのか?
----(千草は泣き止んだだろうか。)

良かった、目を覚ましたんだね。
麗音が俺を庇って怪我したんだ、泣くに決まってるでしょ。

----この程度で私が死ぬわけなかろう。
----悪いと思うなら酒を持ってこい、酒を。

駄目だよ。
完治するまではお酒も仕事も禁止。

----なッお酒は百薬の長というだろう!?

いや怪我だからね。
傷跡が残って嫁の貰い手が無くなったらどうするの。

----そこは問題ないぞ?
----私が嫁に言って娘が生まれるということは確定事項だからのう。

その貰い手が居なくならなきゃいいけどね。

----ふふん、妬いておるのか?

・・・暫く外出も禁止。

----!!?


<END>