2014年12月19日金曜日

吸血鬼

男:女:不問=0:0:1 計1人
日常、声劇というより朗読

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自分は、吸血鬼である。

いや、吸血鬼と呼ばれた親族達の末代といった方が正しいだろう。

血を飲んだのは、現代でいう厨二病を患った、貧血に苦しむ世代だったらしい。

自分は、違う。

日を嫌うのは日光角化症に苦しむ世代でもないでもない。

十字架を投げつけられた金属アレルギーに苦しむ世代でもない。

ニンニクを嫌ったりする食物アレルギーや食わず嫌いな世代でもない。

鏡に映らないというのは手品を練習していた世代があり、目撃者の勘違い。

心臓に杭なんて刺されたものなら誰だって死んでいくだろう。

埋葬された時に何も残らなかった世代は、脱法なるものを使用していたらしい。


どれか1つでも当てはまろうなら吸血鬼として殺されてしまう。

だが、こうやって見返せば日々日常的にあることではないのか?

まあ、こうはいってもコウモリになるとか人の形で飛べるとかはあるわけで。



人間は、通常と思われる事態と異なる事を目の当たりにした時、

思考回路が追いつかず呆然としているかスルー

恐怖が生まれて対象を排除しようとするか逃げる

好奇心からより近づこうとする

etc...

多数決のように何も力を持たない人間が普通され、
そいつらにとって異質であると判断されたものが排除された。

今では、ただ平穏に平凡に暮らしているだけの生き物です。

-------end



日光角化症
金属アレルギー
食物アレルギー もしくは 食わず嫌い
▼Wikipedia参照。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%B8%E8%A1%80%E9%AC%BC

2014年12月5日金曜日

脱走

男:女:不問=1:1:1 計3人
死ネタ、恋愛?、シリアス

語り=14
男=16
女=13

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語:彼女は、押し潰されそうな時、なんとなく嫌になった時、今いる場所から脱走する。
  悪戯をした子どものように必死に逃げるくせに、彼が迎えに来たら嬉しそうな顔をして。


女「普段は気丈に振舞って、急に子どものように我儘になる私。
  貴方に迷惑かける私を許してとは言えないけれど、置いて行かないでほしいの。」

男「普段は1人で何処に行っても平気なのに、突然、癇癪を起こす君。
  俺は毎回毎回疲れてるはずなのに、どうしても放っておけなくて。」



語:いつもと同じように、彼女はよくわからないまま逃げ出す。

男「みーつけた。今日はわかりやすい所に居たじゃないか。」

女「遠くに行きたかったんだけど、今日は寒かったの。」

語:彼もいつもと同じように捕まえる。迷惑かけて、迷惑かけられて。お互いに笑い合っていた。

女「ふふ、おかえりなさい。貴方のおかげで凍え死ななくてすんだわ。」

男「なら家の中に隠れていたら良かったのに。」

女「いやよ。それだとすぐに見つかってしまうじゃない。」


語:彼女は、自分がそこに居てもいいのだと示してくれることが嬉しくて。


男「さ、帰ろう。」

女「そうね。近くに居たっていうのに随分と走り回ってスキッリしたみたいじゃない。」

男「あ、ああ。仕事ですれ違いがあったんだ。」

女「ふーん。色々と大変ね。」


語:彼は追いかけてるつもりで、彼女に引っ張られているのかもしれない。




女「今日はここでノンビリ待ってようかしら。」


語:彼女はいつもと同じように、よくわからないものから逃げ出す。


女「ん、今日も早い・・・・って、何方ですか?」


語:彼もいつもと同じように捕まえる。はずだった。


男「今日は中々見つからないな、今まで居た場所を全部探したのに。」


語:彼は家に居る可能性を考えて帰宅した。けれど、彼女は居なかった。
  暗くなる外に比例して不安が大きくなる。


男「こんな事は初めてだ。何かあったのか?」


語:彼が再び外に探しに行こうと靴を履くと、家の電話が鳴り響いた。


男「もしもし・・・?」


語:彼女は、いつもよりずっと遠い木陰で、息もせず、ただ静かに眠っていた。


語:それから日が経っていても、テレビを付ければ犯人像について議論している。
  彼は、すぐに電源を落とすと仏壇の前に座り込んだ。


男「今日も騒がしい。あの日君がいた場所は君が好きな人の居ない静かな場所だったね。
  女神様みたいに眠っているもんだから、つい写真を撮ってしまったのは二人だけの秘密。」


語:彼は、静かに涙を流して悪戯っ子のように微笑んだ。
  次の日、犯人が逮捕されたというニュースが広まった。


男「君をあの場所に連れて行ってくれた人が来たよ。
  君を忘れられなかったみたいだ。あげないけどね。
  何度も謝ってきたよ、そんな必要は無いのに。」


語:犯人は、毎日の彼と彼女のやり取りが羨ましく、今度は自分が彼女を見つけるのだと考えた。
  毎日想っていた女性に否定され、暴れられ、それからはうろ覚えな記憶が残っていたらしい。
  彼は名乗りでたことにお礼を言って、それ以降は何もしなかった。


男「もう見つけてあげる事はできないけれど。」

女「もう捕まえてもらう事はできないけれど。」

男「もうその足は、身体は、逃げまわることはできないけれど。」

女「もうこの足で、身体で、居場所を確認することはできないけれど。」

男「俺が置いていってしまうのではなく、君に置いて行かれてしまったけれど。」

女「貴方に置いて行かれるのではなく、私が置いていってしまったけれど。 」

男「最期に、好きな場所に居られただろうから。」

女「最期も、貴方に見つけてもらえたから。」

男「今も、居たい場所に居るだろうから。 」

女「今も、貴方の隣に居られるから。」


語:男性は、空気を入れ替えるために部屋の窓を開けると、ふわりと風が入ってきた。


男「おかえり。」


----end




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衝動のままの原文

押し潰されそうな時、なんとなく嫌になった時。
脱走してみたくなる。 逃げ出したくなるそうだ。

ただひたすらに居たい場所から逃げ出して、 誰かが探してくれる事が嬉しくて。
悪戯をした子どものように必死に逃げるくせに やっと捕まえたと思えば嬉しそうな顔をして。

普段は気丈に振舞って、急に子どものように我儘で、
君に迷惑かける私を許してとは言えないけど、置いて行かないで。
普段は1人で何処に行っても平気で、急に癇癪を起こして、
毎回毎回疲れてるはずなのに、どうしても放っておけなくて。


●

いつもと同じように脱走する。 いつもと同じように捕まえる。

迷惑かけて。 迷惑かけられて。
お互いに笑い合って。

自分が居てもいいのだと示してくれることが嬉しくて。
意外と、追いかけてるつもりで、引っ張られていたのかもしれない。

なんて事はあったりする。


●

いつもと同じように脱走する。
いつもと同じように捕まえる。

今日は中々見つからなくて、 木陰の下で眠っていた。

いつもよりずっと遠い所で眠っていた。
君が好きな人の居ない静かな場所だったね。

悪戯をした子どもではなくて、 凄く落ち着いていてすごく綺麗だった。
つい、写真を撮ってしまったのは秘密。

次の日、君をあの場所まで連れて行ってくれた人と会った。

その人も綺麗な君を忘れられなくて、 人伝いに此処へ来たらしい。
ごめんなさいと、何度も謝ってきた。

そんな必要は無いのに。


もう見つけてあげる事はできないけれど。
もう捕まえてもらう事はできないけれど。

もうその足は、身体は、逃げまわることはできないけれど。
もうこの足で、身体で、居場所を確認することはできないけれど。

君を置いていくのではなく、こちらが置いていかれたけれど。
君に置いて行かれるのではなく、こちらが置いていってしまったけれど。

最期に、好きな場所に居られただろうから。
最期も、君に見つけてもらえたから。

今も、居たい場所に居るだろうから。
今も、君の隣に居られるから。

ずっとは無理だと知っている。

だから、今だけ。

2014年12月3日水曜日

浅葱の幼馴染


私の両親は、風魔の忍らしい。
でも、脱走した裏切り者。

感情を殺す前に二人が愛し合い、私を身ごもり、愛し合えなくなる位ならと逃げ出した。

愛とは、なんだろう。


物心ついた頃には、生き物や命の大切さを語られながら手を取られ、母様と一緒に動物を捌いた。
一人でも捌けるようになった頃には、平和になりつつある世の中を語られながら、父様に連れられて盗賊を捌いた。
一人でも襲ってくる奴ら全部を捌けるようになった頃には、6歳になっていた。
ある日突然、母様が鳥を従えて戻ってきた。

「私の友人がね、村に呼んでくれたの。貴方と同い年の女の子も居るそうだから、行きましょう?」

それが、単に遊びに行くだけではなく引っ越しだったのだと気付いたのは村に行った次の日だった。

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「こんにちは!あなた、お名前なんていうの?」

勢い良く部屋の扉が開かれ、朝日と一緒に目に飛び込んだのは可愛らしい笑顔だった。

「わ、私は日夜見-カヨミ-、貴女は?」

「カヨミ、カヨミ・・・カヨちゃん!私は浅葱っていうの、よろしくね、カヨちゃん!」

ごくり、と唾を飲み込んだ。
昨日までの住まいで遭遇したモフモフの兎を見た時のような気持ち。
・・・・その兎は朝食の為に捌いてしまったけれど。

動物はある程度調理すれば美味しい。
私達と同じ人間は美味しくないと父様は言っていたけれど、目の前に居る浅葱は、あの時の兎のように美味しいんじゃないかと思った。

「よろしく、浅葱!」

そうではない。
浅葱を見て思う事は食欲に近いけれど、もっと違っていて、近くでずっと眺めていたいような。
いっそ食べてしまいたいとは思うけれど、そんな事してしまえば一生後悔すると断言できるような。
この気持ちが消されてしまうのなら、浅葱を連れて何処かへ逝ってしまいたい。

嗚呼、これが両親の言っていた愛なのか。

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たまに、浅葱の母親が母様に送ってきた鳥を飛ばす。
浅葱は鳥の散歩だと言うけれど、足には手紙が付いている。
母親だというのに浅葱に隠してまで何をしているのだろうか。
母様に治安維持のために夜盗狩りをしてくると言って鳥を追いかけた。

「誰だ。母様の鳥を何故追っている。」

驚いた。突然目の前に誰かが出てきた。
目の前に居ても気配が読み難くて幽霊とでも間違えそうだ。

「ある子の母親が飛ばしてたのよ。あの子に危害が無いか確認するために追ってたの。」

「そうか、ならば心配ない。お前の言う奴は母様の姪だろう。」

「・・・・・親戚?」

目の前の不確かな存在は、浅葱の従兄にあたるのだろうか。
似ても似つかないそいつとは、その後も何度かやり取りをした。
たまにムカついて捌いてやろうと思ったけど、手も足も出なかった・・・何者なの。

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「いい感じに育ってるね、カヨちゃん!」

共用の畑にある沢山の菜の花の中で嬉しそうに笑っている浅葱。
浅葱と出会ってから数年が経過した。
菜の花も勿論だが、浅葱もいい感じに育ってると思う。
一緒に収穫をしていると、1つの嫌な殺気が近づいてくる気配がした。

「浅葱、ごめんね。母様に用事を頼まれているのを忘れてた。」

「それは大変!早く行かなくちゃ!」

「うん。・・・そうだ、あの辺りに山菜があったからついでに採ったらいいよ。」

「本当!?ありがとう!」

私を純粋に信じてくれる浅葱。
あの殺気から何としても守らないと。
両親では駄目、あの殺気からすると絶対に敵わない・・・私でさえも。

「あいつに頼るしかない、か。」

私は今までにない全速力で浅葱の親戚の元へ向かった。
向かう途中、判っていたことながら殺気の元とすれ違った。
こちらなど眼中に無く、まっすぐ浅葱の居る村に向かっていた。

「っ、あれはヤバイ奴だ。」

「待て。」

つい先程の事を思い出して身震いしていると、突然腕を掴まれた。
全速力だった私は急停止できるわけでもなく、尻もちをつく。

「いッ」

「すまない。それほどスピードがなかったから問題ないと思ったのだが。」

聞いたことのある声に顔を上げれば、これから頼ろうとしていた奴が居た。

「それより、この辺りで不審な集団を見なかったか?」

「!見た!浅葱の所、浅葱が殺されてしまう!」

酸欠で悲鳴をあげていた肺を無視して一気に告げる。
言い終えた直後、目の前からアイツが居なくなっていた。
もしアイツが言ってる集団と違っても、無視はしないだろう。

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悲鳴を上げる身体に鞭を打って、出来る限り早く戻った。
村に近づくにつれ何かが焼けたような匂いが鼻につく。
自分の家がどうなったかなんて興味が無く、真っ直ぐ浅葱の家へ向かう。

「父様、母様・・・・。」

道の途中で、お互いに心臓を貫いている両親を見つけた。
拷問具が中途半端に付いている事から、まあ察した。
浅葱の家に着けば、血の匂いがする。

「樹音さん・・・。」

娘より愛した人への想いを優先した人。
攻めたりはしない。

「貴女が旦那さんをとるなら、浅葱は貰いますね。」

この家には浅葱は居なかった。
生きている可能性は高い。

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村をある程度片付けた頃にアイツが来た。

「この村の生き残りは浅葱とお前だけだ。」

「私は浅葱が生きていればいいの。何処に居るの?」

「・・・・・・。江戸にある千草という奴の妓楼に預けた。」

「妓楼!!?」

「お前も働き口が必要だろう、風魔に来るか?」

「いいえ、忍にはならない。私も妓楼で働く。」

「・・・お前、わかっているのか?」

「ええ勿論。浅葱の気持ちを理解して支える為だもの。」

そうと決まれば、私はアイツを放置して江戸へ向かった。

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「ここで私を働かせなさい。」

「申し出は嬉しいんだけど、突然2人も雇えないよ。」

千草という奴の妓楼は有名らしく、江戸に来てすぐ見つかった。
呼び出してみたけど、目の前に現れた奴は若すぎる。
浅葱が毒牙にかかってしまいそうだ。

「浅葱が居るのでしょう?同じ村出身なの。私なら今の浅葱を支えられる。」

「麗奈は強い子だよ。状況も理解しているし、今も建物を探索している。」

思い出したようにクスリ、と笑う千草に盛大に苛ついた。
麗奈、とは浅葱の今後の名前だろう。

「別に妓女じゃなくてもいいの。下っ端でもいい。浅葱の近くなら。」

「じゃあ、私の所でいいかな?」

千草に襲いかかろうかとでも思ってたら、横の建物から千草と同い年くらいの男が出てきた。

「来栖、一応女の子だし君のところは流石に・・・」

一応とは失礼な気がする。
来栖という奴の建物は男娼屋。
浅葱の近くに要られるならどこだっていい。

「いいわ。男娼屋だろうと浅葱と居られるならそれで。」

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こうして私は浅葱を追って江戸に移り住んだ。
千草のせいで中々会えないし、私が会わないうちに知らない女の子たちと仲良くなるし。
でも、私が行くと嬉しそうな顔をしてくれる浅葱が愛おしい。

浅葱は麗奈になって、口調も表の性格も変わってしまった。
兎から狐になったような、綺麗な麗奈。
でも、私の前ではあの頃の美味しそうな浅葱に戻る。

明日も当主様や赤鬼が来るらしいので乱入してみよう。

浅葱の驚く顔が楽しみだ。



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end


カヨちゃん、表はとっても明るいの(´・ω・`)でも私のせいで内心が病気、おいしい。

2014年12月2日火曜日

嘉萩家の飼い猫

私は、嘉萩ご当主様の飼い猫。
橋の下に捨てられていたのを拾われて、毎日ごはんを貰ってる。
ごはんをくれる女の人は、この時間だけ悲しそうな顔をする。
食べ終わると、ホッとしたように話しかけてくる。

「今日は梔子様が来られるので、裏庭で遊びなさいね。」

ゆっくりと頭を撫でながら女の人はそう言った。
今日のご飯も、とても豪華だった。

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「莉李-りい-ちゃんや!今日も裏庭なん?」

裏庭でボーっとしていると、徹様が駆け寄ってきた。
徹様は当主様に好意を寄せていて、その当主様に会いに来てる。
そのはずなのに、こっそり裏庭に来ては私の隣で数分過ごす。

「今の時間は表の方が暖かいんよ?蜜柑ちゃんなら怒らへんで?」

首を傾げてこちらを見てくる徹様は、眩しい。
だから影のさすこの時間の裏庭で見るのが丁度いい。

「あ、今日は兄ちゃんが焼き芋持ってきとるん、沢山あるから良かったら食べにおいでな!」

表の方から甘い香りが漂ってきた。
それに気付いたのか、徹様は表の方へ行ってしまった。

私は嘉萩の飼い猫。
梔子ご当主様が購入されたものは今まで口にしたことがない。
拾われた身でありながら毎日豪華なごはんを貰っているのだ、わがままは言えない。
徹様が戻っきても会わないように、私は与えられた部屋に篭った。

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「徹、どこに言ってたんだ?」

「兄ちゃん!裏庭のな、猫さんに会ってたんよ?」

「裏庭に猫なんて・・・・もしかして莉李ですか?」

「蜜柑ちゃん、もしかして会っちゃいけなかったん?」

「いいえ、今後も遊んであげてください。」

「うん!明日も来てええ?」

「ええ、勿論。丁度最新の機械が届くんです。」

「み、蜜柑さん!俺も来ます!」

「ハウス。」

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今日は、ご飯の時間に当主様に雇われている人達が来た。
何故か当主様も一緒で、変な機械を持ってた。

「村の方々が頑張って作ったものに混ぜるのは心苦しいですが、確認のためです。」

「これをわからないように普通のとシャッフルして機械にかけるっと・・・こっちが鳴りやしたね。」

「混ざっていると分かっているのに食べろと言うのか。」

「心苦しいですが、確認のためです。」

「蜜柑殿、とても心苦しそうに見えぬのだが。」

「莉李のご飯が遅くなってしまいますので、夜子、お願いします。」

「了解っす!はい常磐、あーん」

「・・・・入っているな。」

「そんな顔しなくても解毒剤もあるっすよ。」

「本職の常磐がそれでどうするんです?莉李は全て知ったうえで食べているというのに。」

「・・・そうだな、入っていると分かっている今回は俺が食べよう。」

「いや、もうテストは終わったし食べなくていいっすよ!」

「機能には間違いなさそうですね。一手間かかりますが、採用することにします。」

私は、嘉萩ご当主様の飼い猫。
当主様のご飯の毒味のためだけに橋の下に捨てられていたのを拾われた。
この機械が正確になったら、私は再び橋の下へ戻るのだろうか。

「テストのためにご飯が少なくなってしまいましたね・・・この後、莉李のためのおやつを買ってきてもらうので表の庭に来てくださいね。」

当主様は私の頭を撫でると、何処かへ行ってしまった。

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私は、嘉萩ご当主様の毒味役。
毒殺以外で死ぬことは許されないから、危険な表には中々行けない。
そして本来なら、いつ死ぬかもわからない私が徹様と会ってはいけない。

「あ、莉李ちゃんや!こっちやで!」

「莉李って・・・女の子!?徹、いつの間に!!?」

「ほう?剣、先を越されたのう」

「剣くんも頑張らないとね。」

「ち、千草さん、何を!」

・・・・何故、表に梔子ご当主様や徹様、他の皆様が居るんだろう。

「ペットは飼い主に似るっていうけど、どことなく雰囲気が似てるね。」

「ちぃ、、莉李は蜜柑のとこの立派な従業員ぞ?」

「あはは、ごめんごめん。」

千草さんにさり気なく背中を押されて皆様の居る場所へと連れて行かれる。

「莉李ちゃん、今日は僕が選んだんやで!」

目の前に差し出されるお菓子。
チラリと当主様の方を見れば、既に召し上がっている。
ポフリ、と頭に手が置かれた。

「梔子兄弟は鼻が利くんで、心配しなくても大丈夫っすよ。」

・・・安全だとわかってるものを、食べていいのだろうか。

「食べないん?」

ああ、徹様が悲しそうな顔をしてしまった。
差し出されたお菓子をパッと手にとり一口食べた。

「・・・・おい、しいです。」

私がそう呟けば、目の前の徹様は太陽のような笑顔になった。
とても眩しい・・・猫は、夜目のほうが利くんです。

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私は、嘉萩ご当主様の毒味役。通常、飼い猫。
当主様のおやつの時間にも、お役目ができたようです。

「莉李ちゃん、蜜柑ちゃん!今日は果物持ってきたんよ!」

「では、給仕の方に切ってもらってきますね。先に表に行っててください。」

「莉李ちゃん、いこぉや!」

徹様に手を引かれて、通常になりつつある表の庭への道を行く。

「微笑ましいのう。」

「麗奈、夜子、いらっしゃい。」

「嘉萩家の愛玩猫は、飼い主に似て素直じゃないというか、最初の御役目に縛られすぎじゃないっすか?」

「立場が変わっている事に気づいていないのだろう。鈍いな。」

「・・・そうですね、給仕の誰に似てしまったのか・・・。」

「「・・・・・」」

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私は、嘉萩ご当主様の飼い猫。
最近は、当主様と一緒のタイミングでごはんを頂いている。
拾われ子の毒味役だと言うのに、優遇されているようで少し落ち着かない。

「今日は徹だけ来ますので、庭で待っていてくださいね。」

徹様が、来る。
少人数なら地面に座って紅葉を見るために敷き布を借りてこよう。
私は急いでご飯を食べ終わると、まずは場所を探す為に表の庭へ駆けて行った。

私がいつか毒に当たって死んでしまうまでは。
どうかその時までは、眩しい太陽の横で日向ぼっこしながらお昼寝させてください。





「私の飼い猫が徹に連れて行かれるのも時間の問題ですね・・・梔子家なら食べずとも分かる人が居るでしょうから、飼い猫をさし上げた時には代わりに貰いましょう。まあ、機械が完成したので毒の確認は不要ですが。」


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名前の由来
Felino フェリーノ ふぇりいの りい 莉李
Felino はイタリア語でお猫様です。
莉李は橋の下で給仕に拾われ、子どもに命がけの忠誠は難しい、そして何もできないなら嘉萩家には置けないため、苦渋の決断で毒味役へ。
厳選したルートで仕入れてるので99%ありえないけれど、毒が出回ってるという噂から給仕さん達は1%を心配してましたん。
勿論、蜜柑の事も、莉李の事も。ただ、当主の蜜柑が優先なので、役目通り莉李に先に食べさせ、給仕が食べ、蜜柑が食べる。

本当はもうちょい恋愛的描写を入れたりして、あああああってさせたかったが、文章力の問題(´・ω・)