2015年4月7日火曜日

神と悪魔と人間とがワチャワチャする話。

男:女(:不問)=3:4(:1) 計7人+1人

シリアス

----------

ハトゥール
女:王的な何か
セリフ数:30

ソルフ
女:踊り子的な何か
セリフ数:42

ジュビア
女:歌唄い的な何か
セリフ数:23

ルプス(ランレン)
男:執事的な何か
セリフ数:14+13=計27

リッター
男:騎士的な何か
セリフ数:21

トイフェル
男:執事的な何か
セリフ数:19

ニンファ
女:メイド的な何か
セリフ数:20

様子(ナレ)
セリフ数:14

---------------------------

※イメージ
 道化が話すような、少し芝居がかったような感じ。
 劇場のステージ上、スクリーン越しで2人の影が会話する。

■ニンファ
ねえトイフェル、ハトゥールのお嬢様のお名前はなーに?

■トイフェル
ニンファ、前も言っただろう?
ハトゥールというのは家の名前であり王の名なんだよ。

■ニンファ
それは面倒ね。
ハトゥール様と呼んだら王族皆が振り返ってしまうんじゃない?

■トイフェル
それは大丈夫。
だって王位継承の時にハトゥール様以外は処刑してしまうのだから。

■ニンファ
ああ悲しい、悲しすぎる。
ニンファ達が居るけれど、ハトゥール様とお話する人が減ってしまうわ。

■トイフェル
ああそれも大丈夫。
居なくなった数だけ遊び相手を募集するんだ!

■ニンファ
なるほど、だから今日はこんなにも賑やかなのね!

■トイフェル
さあ僕らもハトゥール様の所へ向かおう!

---------------------------

■様子
沢山の人で賑わう大通り。
そこから少し外れたところに建っている小さな家の扉が勢い良く開かれた。
家の住人と思われる女は特に驚いた様子もなく椅子に座って寛いでいる。
扉を開いた人物はその光景を見て脱力したようにため息を吐いた後、
キッと表情を引き締めて住人へと近寄った。

■ソルフ
ジュビア!
何のんびりお茶を飲んでいるの、今日はシェルタの日よ!?

■ジュビア
えぇー、面倒。
あれって希望者制でしょ?
私は今の暮らしで十分満足しているし。

■ソルフ
別に貴女の暮らしのことなんてどうでもいいの。
ハトゥール様に選んでもらえれば罪人ではなく御使いとしてルプス様の祭壇に行けるのよ?

■ジュビア
ルプス神への信仰心が凄いのは関心するわー・・・。
でもリッヒテンの翌日にシェルタなんて、無理!
リッヒテンは相当忙しかったのにソルフがそこまで元気なのがビックリだよ。

■ソルフ
昨日は今日のために頑張ってレクイエムを舞ったの!
お願い、後でお礼するから今日は頑張って!

■ジュビア
お願いと言いつつも椅子ごと私を引き摺るその手はなんだ。
・・・・はぁー、仕方ないな。
滅多にないソルフのお願いのためにもうひと踏ん張りしますか。

■ソルフ
ありがとうっ、そうと決まったら走るわよ!

■ジュビア
・・・・・あ、今ちょっと後悔した。

---------------------------

■様子
綺羅びやかな格好で意気揚々と城へ向かっていく人々。
城の広間では到着した人々が得意とする技術を披露している。
広間の2階では1人の少女が不満そうに頬杖をついていた。

■ハトゥール
リッター、私はリッヒテンもシェルタも不要と言ったわ。

■リッター
いいえハトゥール様、王の名を語れる者は1人のみ。
それ以外の者が名乗る事は罪とされます。

■ハトゥール
私が王位を継承するまでは皆で名乗っていたのに?
ずっと私だけの名前が欲しかったけれど、
こんな事なら「ハトゥールのお嬢様」のままで良かった。

■リッター
ハトゥール様!
人々が居るこの場でそのような発言はいけませんっ
もし聞かれでもしたら貴女に影響があるのです!

■ニンファ
そうですわ、ハトゥール様。
「王位継承後は無駄なものを一掃する」という決まりです。

■トイフェル
そうですよ、ハトゥール様。
「心の穴を埋める為に処刑した人数だけ御使いを増やしても良い」という、
ルプス神の優しさに感謝するべきです。

■ハトゥール
まるで王というより神のペットね。
処刑させたのはルプスじゃない。

■リッター
ハトゥール様、それ以上は。
王に仕える身として貴女を咎めなければなりません。

■ハトゥール
・・・わかった。
まったく、リッターは昔から決め事に忠実すぎるのよ。

■ランレン
で、お気に召す2人は決まったのか?不機嫌な女王様。

■ハトゥール
・・・ランレン、やっときたの?
リッヒテンであれだけ嘆いていたやつらがシェルタじゃ嬉々としてるの。
そんなのと話したって面白いわけ無いじゃない。
富や名声が目当てじゃなければ誰でもいい。

■リッター
またそのような・・・
貴女の話相手でもありますが、ルプス様の御使い選びでもあるのですから。

■ランレン
ま、そうなると思って志望者に成りすまして理由を聞いてきた。
大体が富と名声目当てだが、面白いのがいくつか居たぞ?

■リッター
ランレン、遅いと思ったらそんな事をしてたんですか。
まあいいでしょう。ハトゥール様がそれで決めることができるのであれば。

■ハトゥール
たまには役に立つのね。
えーと・・・じゃあ、この2人にするわ。

---------------------------

■様子
数週間後。
城の中枢にある庭では、華やかなお茶会が開かれていた。

■ジュビア
それで、お金や名声が目当てじゃなかった私達が選ばれたという訳か。

■ニンファ
けれどハトゥール様?ソルフはルプス神目当てですよね?

■ハトゥール
ルプス神はいいのよ、私が興味ないから。
それに、通達を出した直後に祭壇に向かっていったソルフは面白かったし。

■ソルフ
あ、あれは嬉しくなってつい。

■ジュビア
ソルフ・・・あの場は御使いが祈る場でもあるけど、
リッヒテンが行われる場所でもあるのによく平気で・・・。

■ソルフ
リッヒテンはルプス様のご意向ですもの。
内容がどうだろうと、全て知った上で信仰しているわ。

■ハトゥール
ほぼ毎日あの場に出入りしているのなんて、
ランレンとソルフだけじゃない?

■ランレン
お呼びかな?女王様。

■ハトゥール
いいえ呼んでいないわ地獄耳。
けれど、来たついでにお茶のおかわりでも貰おうかしら。

■ソルフ
ランレン、手伝うわ。

■ランレン
ああ、ありがとう。
ついでに、俺が居なくてもできるようひと通り説明しよう。

■ソルフ
助かるわ。
誰かにやって貰うのって落ち着かなくて。

■ジュビア
えー、そう?
私は面倒だから正直楽できて嬉しいかなー。

■ランレン
客人に喜んでもらえるなら何よりだ。

■ハトゥール
ほら、話してないで行ってきて。
お茶が無くなってしまうじゃない。

■ランレン
はいはい、我らが女王様。

---------------------------
■様子
2人が退席してから数十分後。
残っていたお茶やお菓子もほとんど無くなった頃に会話が再開した。

■ハトゥール
ねえジュビア。
貴女達は今年のリッヒテンでレクイエムを歌い、舞ってくれたのでしょう?

■ジュビア
ん・・・?そうそう、人生初のリッヒテンでまさか選ばれるなんて予想外。
ソルフは選ばれて嬉しいけど祭壇には入れないって落ち込んでたかなー。

■ハトゥール
私はその時祭壇に居たからジュビアの歌声は聞こえていたけど、
ソルフの舞は見れなかったのよね・・・。
リッヒテンの立ち会いよりそっちを見たかったわ。

■リッター
ハトゥール様。
たとえ御使い相手だろうと、そのような発言はよろしくありません。

■ハトゥール
リッター、この手の話題になると突然現れるけど、
貴方もランレンと同じで地獄耳なのかしら?

■リッター
ランレンと一緒にしないでください。
たまたま、お茶のおかわりを持ったソルフ様と遭遇したのでお手伝いしたまでです。

■ソルフ
助かったわ、リッター。
ランレンは少し用事ができたとかで先に部屋へ戻ると。

■リッター
全く、まずは目の前の仕事を終らせてから行って欲しいものです。

■ソルフ
仕方ないわ、今宵は新月・・ルプス様の力が不安定になる日ですもの。
信仰方法によっては家に籠る人も居るわ。

■リッター
ああ、新月でしたか。
ランレンはああ見えて信仰深いですからね。

■ハトゥール
なら今夜は話し相手が居ない分お祈りが早く終るわよね?
良かったら私の部屋で舞を見せてくれない?

■ソルフ
ええ、いいわよ。
ジュビアはどうする?

■ジュビア
あー、私は夜は眠くて声が出ないからレコード再生でお願いしようかな。

■ハトゥール
わかったわ。
ジュビアには絶好調の時に聞かせてもらおうかしら。

■ジュビア
りょ、りょーかい。


---------------------------

■様子
夜、ソルフが祭壇でルプス神へ舞を捧げている。

■ソルフ
ふう・・・今夜はランレンも居ないしこれくらいでいいかしら。
って、私はルプス様に祈りを捧げにきてるんだからランレンは関係無いじゃない。
ほぼ毎日話してたから日課のようになってしまったわ。

■ルプス
ああ、甘い香りがする。

■ソルフ
?、・・・・その声、ランレン?
貴方、新月の間は部屋に篭ってるんじゃ・・・。

■ルプス
!ソルフ、か?

■ソルフ
ランレン・・・貴方その格好、信仰しすぎてルプス様の真似っ子?

■ルプス
いや、これは・・・。

■ニンファ
ランレンはルプスなんだよ、ソルフ。

■トイフェル
ルプスがランレンなんだよ、ソルフ。

■ソルフ
え、一体どういう事?

■トイフェル
僕はルプス神と契約している悪魔さ!

■ニンファ
ニンファはトイフェルの妖精さんっ

■ルプス
ニンファ、トイフェル。
話していいとは言っていない。

■ソルフ
本当・・なの?
ランレンが、ルプス様?

■ルプス
ああ・・・信じられないとは思うがな。

■ニンファ
ルプスは神っていうけど神様じゃないよ、
人間の想いだけを食べる狼さん。

■トイフェル
動物とは違うよ、狼の形をした何か。
僕達とも少し違うんだ。

■ソルフ
ルプス様が神ではない・・・?

■ルプス
・・・・そこまで喋るのかお前らは。
俺達は人から発せられる想いを食べて生きている。
食べ歩くのが面倒でニンファやトイフェルが俺を神へ仕立て、
王という存在を作る事で沢山の想いを信仰という形で1箇所に集めることができた。

■ソルフ
それじゃあ、王はルプス様の代わりに人々を導くためじゃなくて
貴方達のご飯のために存在しているの?

■ニンファ
想いを食べるのは王のためでもあるんだよ、ソルフ。

■トイフェル
沢山の想いですぐ壊れてしまう王を、
次の王がが立派になるまで長持ちさせるためなんだよ、ソルフ。

■ソルフ
次の王が立派になったら・・・?

■ルプス
皆の想いの矛先が親から子へと移る。
食の対象が子へ変わるだけだ。

■ニンファ
けれど沢山王族が居たら想いが少しずつバラけちゃうから処刑して1人にするの。

■トイフェル
けれど人が減った分想いが溢れてしまうから受け皿を増やすんだ。
だいたいの受け皿は前王と一緒に潰れてしまうから面倒だ。

■ソルフ
それが・・・リッヒテンとシェルタというわけね。

■ルプス
ふっ、失望したか?

■ソルフ
・・・いいえ、これはルプス様が生きるために行っている事ですもの。
それでもルプス様が居たからこそこれまで国が成り立ってきた。
私は変わらずルプス様を信仰するわ。
ねえ、色々聞かせてくれる?

■ルプス
・・・ああ、ありがとう。

---------------------------
■様子
ハトゥールの執務室。
部屋は物音一つでも響くほどに静まり返っている。

■リッター
ハトゥール様、もう月が沈んでもおかしくない時間です。
お体に障ります、そろそろご就寝を。

■ハトゥール
いいえ、リッター。
約束したソルフが来ていないのよ、すれ違いになったらどうするの?
それに新月だろうと必ず来るランレンだって来ていないわ。

■リッター
ハトゥール様、それは・・・

■ハトゥール
言わないで、それも頭によぎったわ。
けれど先に約束があるのなら私とはしないわ。
眠いのであればリッターは先に寝てもいいのよ?

■リッター
いいえ、仕える者として主より先に寝るなどありえません。

■ハトゥール
・・・そう。
ならそんな所に立ってないで、座って暇つぶしの相手をして頂戴。

■リッター
ええ、喜んで。
たとえ日が昇りまた沈んだとしても、お供いたします。

---------------------------
■様子
翌日朝、ジュビアが談話室へ向かうと、そこには誰も居なかった。
昼になっても、夕方になっても、毎日集まっていたメンバーは一向に姿を見せない。
談話室の様子と相対的に城の人々は慌ただしく走り回っている。

■ジュビア
土地の崩壊や川の氾濫ね、そりゃ忙しくて談話室なんて来れないよなー。
皆忙しいみたいだし、私は今日も早寝しようかな。

---------------------------
■様子
夜、足音を立てないよう静かに祭壇へと向かうソルフ。
目的の扉までたどり着くと、1つの光が灯っている。
それは、ハトゥールが持っているランプだった。

■ハトゥール
ソルフ、今日も寝ずのお祈り?

■ソルフ
!ハトゥール様、何故祭壇に?

■ハトゥール
・・・約束、したじゃない。

■ソルフ
約束?

■ハトゥール
ああ、覚えていないのね。
けれど確かに約束したわ。
舞を見せてくれると、私はずっと待っていたのに。

■ソルフ
ご、ごめんなさい。
私ったらお祈りに熱中しすぎてしまって。

■ハトゥール
いいのよ、ルプス神に関わってる時の貴女は楽しそうだから。
けれど新月だろうと私が寝る前に一度は来ていたランレンも来ない・・・。
二人で会っていたのでしょう?何故、わざわざ偽っているの?

■ソルフ
い、偽ってなんていないわ。
私はずっとルプス様を想ってこの部屋に居たわ。

■ハトゥール
そう、ならいいわよね。
今日は突然、土地が荒れたり川が氾濫したりしたの。
それを沈めるためにルプス神への供物として貴女の血を使うわ。

■ソルフ
な!?ハトゥール様、待ってください!
私が悪いのであれば謝りますッ・・・ですから!

■リッター
ソルフ様、申し訳ございません。
土地が荒れているという事はルプス神の御心が荒れているということ。
それを沈めるには真っ直ぐ信仰している人物をルプス神の元へ届けるしかないのです。
さあ、祭壇に入ってください。コンフェッシオンの生贄として。

---------------------------

■様子
ソルフはずっと祭壇に設置された檻の中に入れられ、
リッターから城中の人々へコンフェッシオンとその生贄について伝えられた。
城中の人たちは土地が落ち着くと喜び、普段の生活へと戻っていく。
その光景を見てジュビアはリッターへと問い詰める。

■ジュビア
ちょ、待って待って!
なんでソルフが生贄にならなくちゃいけないの!
それに土地が荒れたからって人を祭壇で殺してどうにかなるわけ!?

■リッター
ハトゥール様の決定です。
本来なら女王の命に背いた罪でリッヒテンを行おうとしていたのですが、
ハトゥール様はソルフ様の信仰深さに免じてリッヒテンではなくコンフェッシオンにしたのです。
罪人ではなく人々を救う柱となれるだけいいでしょう。

■ジュビア
そんな!ソルフは悪いことなんてしてない!
・・・私、抗議してくる。

■ニンファ
ソルフはとんでもない事をしてしまったんだよ、ジュビア。

■トイフェル
よりにもよって新月の時にやらかしたんだよ、ジュビア。

■ジュビア
貴方達、今までどこに!
それに・・・とんでもない事って、どういう事なの?

■ランレン
・・・お前は知らなくてもいい事だ。

■ジュビア
私が知らない間にいったい何が起きたっていうのよ。

---------------------------

■様子
祭壇。リッヒテンで罪人が処刑される位置に1つの牢屋が存在している。
その中では祭壇に向かってひたすら祈りを捧げているソルフの姿が見えた。

■ソルフ
どうして・・・。
たった一度の過ちだったじゃない。

■ランレン
新月の日に、俺が女王に集まった想いを食さなかったせいだ。

■ソルフ
ルプス・・・いえ、その姿の時はランレンよね。

■ランレン
ああ。
新月の日は信仰のせいで皆の想いが爆発的に高まる。
それを食さず女王の中で留めさせてしまった。
それにハトゥールの中で生まれたマイナスの想いが加わり、
膨大な憎悪となってしまったのだろう。

■ソルフ
それじゃあ、本当に私のせいで・・?

■ランレン
いいや、俺のせいでもある。
お前との会話が楽しくて、日が昇る事にも気づかなかった。

■ソルフ
ええ、私も楽しかったわ。
ねえ・・・大地が荒れたり川が氾濫するのって、
ランレンが荒れてるからだと言っていたけれど・・・?

■ランレン
俺ではない、女王だ。
女王の中で憎悪となった想いが漏れだし、天災となったんだ。
リッヒテンやコンフェッシオンは王に集まりすぎた想いを罪人や生贄へ移し、
その命で断ち切るという役割を持っている。

■ソルフ
そう、やっぱり私のせいじゃない。
今まで自然に行われてきた事をねじ曲げてしまった私の。

■ランレン
大丈夫だ、俺がなんとかしよう。

■ソルフ
・・・・、期待しないで待ってるわ。

---------------------------

■様子
コンフェッシオンの時間になり、祭壇にはいつかのお茶会のメンバーが集まっていた。
ソルフは真っ赤な服装に着替え、ジュビアは鎮魂の歌を歌うため真っ青な服装で訪れている。
ハトゥールは始終無表情で準備の様子を眺めていた。

■ニンファ
ハトゥール様のドレスは真っ黒でまるで冥王だね、トイフェル。

■トイフェル
いっそ冥王に仕立て上げてみようか、ニンファ。

■リッター
ニンファ、トイフェル、ふざけていないでください。
・・・コンフェッシオンが始まります。

■ジュビア
ソルフ、止められなかった・・・ゴメン。

■ソルフ
いいえ、私が悪いのよ。
それにリッヒテンではなくコンフェッシオンなの。
光栄に思わなくっちゃ。

■ジュビア
・・・・。

■ニンファ
ではではコンフェッシオンの始まり始まり!

■トイフェル
本日の生贄はソルフ!
ルプス神を心から信仰していて生贄には持ってこいの女性!

■リッター
ニンファ、トイフェル!
神聖なるコンフェッシオンで何を!?

■ニンファ
本日の主役であるルプス神ことランレン!

■ジュビア
・・・え?ルプス神がランレン?
いやいや、あれよね。
ルプス神役っていう感じよね。

■トイフェル
憎しみに潰れてしまいそうな可哀想な女王はハトゥール様!

■リッター
ッ・・・二人共いい加減やめなさい!

■ニンファ
女王を守護するリッターに立ち会いのジュビア。
ああ可哀想。二人だけが真実を知らないのね。

■トイフェル
ハトゥール様はランレンの教育のおかげで気付いているのでしょう?

■ハトゥール
・・・ランレン、いえ、ルプス。
この煩い悪魔達を黙らせて頂戴。

■リッター
ハトゥール様、一体何がどうなって・・!

■ルプス
やはり気付いていたか。
なのになぜコンフェッシオンなど行う?

■ハトゥール
ランレンが来ると身体の中にある重い何かが軽くなった。
幼い頃から信頼する貴方と話すからだと思ったわ。
けれど、あなた達3人ともお祖父様の若い頃の写真から
風貌がこれっぽっちも変わっていないのよ。

■ジュビア
写真・・・?
リッヒテンは一切の穢れを無くすために罪人の持ち物全ても焼いてしまうのに?

■ランレン
・・・あいつ、女王の部屋に隠していたのか。

■ハトゥール
お祖父様もビックリよね。
大切な友人との思い出を残そうと頑張った結果、
その友人の正体を暴くきっかけになるんですもの。

■ソルフ
待って!ルプス様は悪い事なんてしていないの。
私はこのままコンフェッシオンを実行されてもいいから、この人はこのまま・・・!

■ジュビア
ソルフッ、いくら信仰してるとはいえそこまで!

■ハトゥール
ねえ、私の中でドス黒いものがグルグルしているような気がするの。
これってルプスのせいなんでしょう?

■ニンファ
そうだよ、ハトゥール様。
全部全部ルプスのせい。

■トイフェル
さあさあ、ハトゥール様。
この鎌で生贄を捧げましょう。

■ハトゥール
そうね。黒いものが重くて重くて仕方がないの。
早く捨て去ってしまいたい。

■ジュビア
待って、お願い・・待って!!

■様子
ハトゥールがソルフの前に立つと、
トイフェルが何処からか持ち出した大きな鎌をハトゥールへと渡す。
それを受け取った彼女はジュビアの静止を一切聞かず、大きく振り下ろした。

■ソルフ
うぐっ・・・ハ、ハトゥール様の持っていた黒いものが流れ込んでくる。
こんなにも、こんなにも苦しいものなのね・・・ゴメンナサイ、ゴメンナサイ。

■ルプス
ソルフッ・・・!、これは一体・・・。

■ニンファ
大成功、大成功!
新たな信仰対象が生まれたよ、トイフェル。

■トイフェル
嫉妬や憎悪の化身のソルフ。
神様、なんてものじゃない。
ルプスとお揃いだよ?よかったね、ソルフ!

■ソルフ
一体何が・・?
私は・・・ハトゥール様に鎌で貫かれて・・・?

■ルプス
そうだ、そうだった。
俺もこうやって生み出された。
悪魔の暇つぶしのために、人の想いを貪り食う存在として。

■ニンファ
けれどそれも終わりだよ、ルプス。
ルプスはソルフの甘い甘い想いでお腹いっぱい!

■トイフェル
飽きるまで数千年かな、ルプス。
ソルフがルプスに飽きるまで何年かな?

■ソルフ
私の、想いだけでルプス様は生きていけるの?
・・・私が見離されるまではずっと一緒に居られるの?

■ルプス
・・・ああ、一緒だ。
何千年経とうとお前を飽きる事なんて無い。

■ソルフ
ええ、私も何千年経とうと貴方を想い続けるわ。
たとえその想いが貴方に食べられてしまおうと有り余るくらいに。

■ジュビア
何、何なの?もう訳がわからない。
・・・そうだ、夢、これはきっと夢よ。
シェルタからぜーんぶ夢。長い夢。
家に帰って寝て起きたらまた歌のお仕事しなくっちゃ。

■ソルフ
ジュビア、待って!これは夢じゃ・・・ッ

■ニンファ
無理だよ、ソルフ。
ジュビアはフツーの人なんだから。

■トイフェル
そうだよ、ソルフ。
ジュビアは今までの事を全部夢だと思ってフツーに暮らすんだ。

■ソルフ
そんなッ・・・ハトゥール様、ハトゥール様は!?

■ハトゥール
ねえ、リッター。
今日はなんだかとても身体が軽いの。
久しぶりに貴方のお弁当でピクニックに行きたいのだけれど?

■リッター
ハトゥール様、まだコンフェッシオンの最中です・・・!
ハトゥール様ッ・・・ハトゥール様?

■ハトゥール
あら、様付なんてなんの遊びかしら?
リッター、早くして頂戴。

■リッター
ッ・・・・、かしこまりました。
ハトゥール、国外にある僕の家までピクニックです。
・・・皆様、ハトゥール様はここへ帰しません。さようなら。

■ソルフ
ハトゥール様に・・・一体何が起こっているの?

■ルプス
トイフェルの鎌のせいだ。
女王の個人的な想いと人々の想いが複雑に絡み合っている状態のものを
強制的に全てソルフへと移したんだ。
廃人にならなかっただけマシだろう。

■ソルフ
そう・・・・・ハトゥール様、ごめんなさい。
それでも私はルプス様と生きられる手段を頂けて感謝します。

---------------------------
■様子
国を見渡せる丘の上でジュビアが1人佇んでいる。
ジュビアは想いを断ち切るように目を伏せると、国とは反対の方向へと歩き始めた。

■ジュビア
ねえプラード、貴方と最初に作ったこの世界は失敗だったのかな。
人間から作られた存在を利用して悪魔達が神と同等の力を得た。
もう私が観察する必要も意味も無いみたい。
わ、私のせいじゃ無いわよ!?
はいはい、お小言は貴方が観察している世界に移動してから聞きますって。
それじゃ、バイバイ。

■様子
ジュビアがスキップするように一歩を踏み出すと、先が見えないほどの大雨が降り始めた。
その大雨でジュビアの姿は見えなくなり、レクイエムのリズムを取る鼻歌も大きな雨音に掻き消えた。

----end

===========================
※用語作成の参考:BABEL~世界の言葉~ http://www.tekiro.main.jp/
■人物用語
・ハトゥール:日本語訳:猫
何百年と続いた王家のサイクルをぶち壊した女王。
ランレンに今までの王の生い立ちや死に際の言葉を聞いたため信仰度0。
信仰度が低い=人々の想いに耐えるキャパが小さいせいで
たった1度、ルプスが食べ忘れた事により暴走。
王としての想いと城に居た人たちへの想いを持って行かれたため
リッターに連れられて国外へ。
リッターへの特別な想いが残ったおかげで廃人を逃れたとか。

・リッター:日本語訳:騎士
幼いころからハトゥールの護衛として一緒に過ごしてきた。
決まり事には忠実だが、全てはハトゥールのためであり神は信じていない。
周囲の突拍子もない出来事に振り回されて入るが、
ハトゥールをお持ち帰りできたので得はしているのではないかと思う。

・ソルフ:日本語訳:赤
信仰が深すぎてやらかした踊り子。
城に行くまではジュビアの歌で舞い、お金を稼いでいた。
信仰度が深すぎたせいで信仰度0のハトゥールが抱えていた想いを根こそぎ持ってった。
トイフェルの悪魔の鎌によって想いを身体に定着させられ、
ルプス同様の身体へと変化した。

・ルプス:日本語訳:狼(ランレン:日本語訳:人狼)
初代の王の親友。人間時代の名前がランレン。
トイフェルに利用されて神のような存在に祭り上げられた。
それ以降は想いを食さないと存在できない身体となり、現在に至る。
現状を維持しないと生きていけないが、同じ事の繰り返しで限界が来ていたために
ハトゥールにこれまでの王の末路を語ってしまった。
ソルフはシェルタのアンケート時の一目惚れだったりする。
ソフルのランレンへの想いは甘い恋の味だとか。

・トイフェル:日本語訳:悪魔
今回の首謀者。神同等の力を手に入れて遊びたいがためにやらかした。
国中を駆けまわって王への想いを集め、ランレンを想いを食す何かに変えた。
ハトゥールが居なくなったため次の王が生まれなくなってしまったが
ソルフという存在が生まれたので新しい信仰対象(暇つぶし)ができて結果オーライだと思っている。

・ニンファ:日本語訳:妖精
トイフェルと兄妹のように一緒にいる妖精。
妖精だがトイフェルの影響で考え方はほとんど悪魔。
自分はトイフェルの人形であると思っている。

・ジュビア:日本語訳:雨
ただのんびり生きていたかった歌い手。
城に行くまではソルフが踊るための歌を歌ってお金を稼いでいた。
ぶっちゃけるとこの世界を作った神に等しい存在なのでルプスは信じていなかった。
最後の最後まで人として演じ、面倒事から脱走して別世界へと移動した。

プラード:日本語訳:草原
名前だけ出てきた存在。男。
ジュビアと一緒に世界を作った。
ほとんど世界を放置していたジュビアに小言を言っている。
他の世界で何をしているかは不明。

■用語
・リッヒテン:日本語訳:裁き、断罪(処刑)
物語上の意味:浄化の日。
王権が移る際、権力分散を回避するため王以外の王族を処刑。
罪状は王でもない者が王の名前を語った事とする。
遺書等が残されぬよう、所有物全てが焼却される。

・シェルタ:日本語訳:選択
物語上の意味:選別の日。
リッヒテンで家族を失った王の傷を癒やすために失った人数分を城へ招き入れる。
最大の絶望から選ばれた分、王から依存されやすく、富も名声も手に入りやすいとか。
トイフェル曰く、ルプスのご飯を作るための調理器具(王)の修繕。

・コンフェッシオン:日本語訳:告白(こくはく)、懺悔(ざんげ)
 物語上の意味:贖罪の日。
ルプスが想いを食べなかったりして溢れだしたものが世界に影響を及ぼす。
それを沈めるために深く信仰している誰かを生贄として捧げる。
生贄は信仰の深さ故に無意識に王に貯められた想いをルプスへの手土産として纏めて奪い、
命と一緒にその想いを消滅させる。ニンファ曰く、ルプスの残飯処理。

0 件のコメント:

コメントを投稿